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原料用アルコールが入手困難になるんじゃないかと問合せてみたら、酒造用の原料アルコールにはそもそも増産の要請さえも来ていないらしく、特に供給不足になるようなことは今のところ無いとのこと。

消毒用アルコールはだいたい70~65%エタノール水溶液なんで酒造用を転用することができるはずなんですが、日本の場合はここで法律の壁が各種存在します。

免許が違うと他のお酒を製造できない。つまり、そもそも医療用のアルコール製造の免許がないとダメなんですよ。

70~65%のアルコールなら同じでいいやお酒で代用する位の危機なったらスピリッツ製造免許や原料アルコール製造免許を持っているところが製造可能でしょうけど。酒造免許的には

酒税が1リットルあたり700円~650円+原料+容器+人件費なんかかかるんで販売価格が消毒用にくらべて2~4倍になる。

次に流通する手段がない!。法律的には67%(容量%)60%(重量%)以上で危険物扱いになるんですがこの濃度だと微妙に引っかかったり、近年流通させる企業が軒並み厳しく(表記が60%以上はダメ)になっているので通常の配送方法しかもって無いところはアウトなわけです。(郵便局や大手の宅配業者はNG、慣例的にお酒だとヤ○トさんは黙認してくれるけどね。規定ではダメだったはず、薬局に配送してくれるのはその規定が無い運送会社さんや専門業者)

これら法律面がクリアー出来ても今度は実際の生産は厳しい。

まず効率面から、連続式蒸留機を持っていないとそもそも大量に作れない。

そして更に大容量の発酵タンクがないと話にならない。つまり国内だと大手酒造メーカー以外は対応できない。

そして、東京クラフトリキュールではどうかというと、購入した原料アルコールはすぐに加水してしまうのでストックを転用することは出来ない。まあ50~47%ぐらいでいいならばだけど消毒用に回すには少々効力が弱い。

で小さな蒸留釜で再蒸留するとするならば1日一回で500mlだと36本ぐらいしか製造できない。原料用アルコールのストック全部、商品全部潰して1500本程度つくれる。計算になる。そして、ストックが切れて発酵から作るとなると材料があってもぐっと生産量が減って一日10本ぐらい生産しかできないだろう。

うん。大手の方が適任ですね。

というわけで、法律の壁が取り払われて対応できるとするならばt単位の発酵タンクがたくさんある。連続式蒸留機を持っている。なにより原料があるメーカー。

日本だと米、サツマイモあたりが原料にできるので麹も作っているメーカー。

大手焼酎メーカーや既存の原料用アルコール作っているメーカーが理論上可能だけど

特例法がなければ動けない。

ちなみに通常の酒造用原料用アルコールは予め95%のアルコールを海外から輸入して日本で再蒸留して商品にしているのが殆どで1から発酵で作っているメーカーが一社だけあるそうだけど1リッター1400円ぐらいするらしいです。酒税合わさったら+950円で500mlだと中身だけで1700円超えちゃうや、焼酎メーカーや日本酒メーカーと原料用アルコールメーカーがタッグを組んで生産できたとしたら500ml2000円位の消毒用アルコールを生産することはできるというわけ。うんわりにあわないよね。

うちのような小さいメーカーで製造することになる時はきっとトゲトゲ肩パットしてバット持って髪型をモヒカンに変える事態になったときであろう。

結論。理論上は作れるけど法律の壁がある。特例法が施行されても材料、設備がないと効率が悪い。大手で材料設備が揃っていてもコストが高すぎる。

海外のように緊急製造するには日本では難しい、コストが莫大になっちゃう。

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